2025.04.13

高温仕様の射出成形機の特徴

高温仕様の射出成形機の特徴

高温仕様の射出成形機は通常の射出成形機と比較して、より高い温度(400℃以上)で樹脂を溶融・成形することができるのが特徴です。シリンダーやノズルを加熱させるためのバンドヒーターの出力も特殊仕様になっています。シリンダーの材質も超耐食耐磨材であり高温特性に優れているKH材を使用しています。スクリューも超耐食耐磨材を使用し、高温特性に優れた材料を使用しています。これらの仕様により耐熱性や耐摩耗性に優れた特殊なエンジニアリングプラスチックの成形を実現しているのです。

金型の管理

成形品の品質を安定的に維持するためには、金型温度の管理が重要になります。金型温調に関して、温調媒体としてカートリッジヒーターを使用し、金型温度を管理しています。カートリッジヒーターの本数、ワット数、位置については金型製作時に注意が必要です。バンドヒーター及びカートリッジヒーターによる電気消費量を加味して、成形機主電源容量も通常の成形機より上げています。

高温射出成形に用いられる金型については一般的な金型とは異なる特徴や要求事項があります。高温下でも寸法変化が少なく安定した成形品を製造するために熱膨張係数の低い材料が選択されます。ちなみに、弊社ではそれぞれの樹脂材料に適した金型材料を使用しています。

具体的な高温材料の種類

高温環境下で安定した性能を発揮する代表的な耐熱性樹脂の種類として、弊社で使用実績のある代表的な材料は下記のようなものがあります。

ポリフェニレンサルファイド(PPS)

非常に高い耐熱性を持ち、連続使用温度は220~240℃と一般的なプラスチックを大きく上回ります。
高温環境下でも変形や強度低下が起こりにくいため、高温部品や電子機器部品などに適しています。

ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)

耐熱性や耐薬品性、耐摩耗性に優れています。その優れた特性から、医療機器、自動車産業、航空宇宙産業など幅広い分野で活用されています

フッ素樹脂(ETFE)

耐熱性、耐薬品性、非粘着性など、優れた特性の組み合わせをもった樹脂です。OA部品では低摩擦性を生かした紙送りのローラ―部品などに使用されます。

まとめ

当社では、射出成形機スクリュー先端の3点セット(クリューヘッド、逆止リング、スペーサー)を高温仕様へ変更することにより高い強度や剛性、耐熱性といった特性をプラスチックに付与させるガラス繊維入りの材料への対応も可能です。

ただし、フィラー形状によりシリンダー、スクリュー、3点セットに与える影響は異なる為、一概にガラス含有量だけで対応可否の判断が難しい場合がありますので、対応材料についてはご相談ください。

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ジュラロングループについて

ジュラロングループは、日本本社を中心に、ベトナム・香港・中国に拠点を展開し、
エンジニアリングプラチックを主体とした精密部品の開発・製造・販売に加え、
光学設計・レンズ成形、超精密金型および部品の加工/製造を行っています。
下記WEBサイトにて情報を発信していますので、ぜひ当社の取り組みをご覧ください。

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