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2025.09.22
プーリーの射出成形における注意点
プーリーは精密さが求められる部品なため、射出成形において材質選定や金型設計、成形条件など様々な注意点を理解する必要があります。本記事では、プーリーの射出成形における注意点についてご紹介します。
プーリーの射出成形における精度要求
プーリーはベルトやローラーと組み合わせて使用されるため、回転精度や寸法精度がわずかでも狂うと、動作不良の発生につながります。
そのため、プーリーの外径や溝幅、軸穴寸法を規定公差内に収め、樹脂の収縮による変形を最小限に抑える必要があります。
材料選定の注意点
プーリーの材料選定は、製品の耐久性やコストを左右する重要な指標になります。
プーリーには一般的にエンジニアリングプラスチックが使用され、特にPOMやPAが多く採用されます。
POMは摺動性や寸法安定性に優れており、プリンターや複合機における小型プーリーに適しています。
また、耐熱性と機械強度が重視される場合は、PAが使用されることが多いです。
さらに、高精度が要求されるプーリーでは、強度が高く、収縮率が少ないPCなどを使用するケースもあります。
金型設計・製造の注意点
プーリーを射出成形で高精度に製造するためには、金型設計段階での工夫が必要になります。プーリーは回転体であるため、真円度と同心度を確保することが重要なため、金型のキャビティ加工精度を高め、摩耗を防ぐための表面処理を行うことが求められます。
また、樹脂の流動を均一にするために、ゲート位置やランナー形状を慎重に設計する必要があります。ゲート位置が不適切だと、樹脂が偏って充填され、変形やヒケが発生しやすくなります。特にプーリーの外周部では、冷却速度の差によって歪みが生じるため、冷却回路を均一に配置することが求められます。
多数個取りになった場合は流動解析等を行い、ゲートバランスを考慮する必要があります。
射出成形の注意点
射出成形工程において、温度、圧力、時間の管理は品質を大きく左右します。特にプーリーは精密さが求められる部品であるため、成形条件がわずかに変化するだけで寸法不良が発生します。
射出成形時に温度が高すぎると樹脂が分解して強度が低下し、金型の吹き出し時に離型不良が発生することがあります。逆に低すぎたり、樹脂粘度が低い場合はショートショットやウェルドラインの強度が下がりやすくなります。また、射出圧力と保圧時間も重要で、過不足があるとバリや変形の原因となるため、成形条件を最適化する必要があります。
プーリーの射出成形ならお任せください
いかがでしょうか。当記事では、プーリーの射出成形における注意点とジュラロン工業の取り組みについてご紹介しました。小物精密部品の射出成形でお困りでしたら、ぜひ一度ジュラロン工業へご相談ください。長年の経験と技術力で、お客様の課題解決をサポートいたします。
ジュラロングループについて
ジュラロングループは、日本本社を中心に、ベトナム・香港・中国に拠点を展開し、
エンジニアリングプラチックを主体とした精密部品の開発・製造・販売に加え、
光学設計・レンズ成形、超精密金型および部品の加工/製造を行っています。
下記WEBサイトにて情報を発信していますので、ぜひ当社の取り組みをご覧ください。