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2026.02.24
ETFEの特徴から射出成形のポイントについてご紹介
ETFEは、スーパーエンジニアリングプラスチックの一種で、様々な特徴がある樹脂材料です。本記事では、ETFEの特徴から射出成形における注意点などについてご紹介します。ぜひご覧ください。
ETFEとは
ETFEとは、エチレンとテトラフルオロエチレンを共重合した熱可塑性フッ素樹脂です。フッ素樹脂の中でも、PTFEのような高い耐薬品性・耐候性を持ちながら、熱可塑性樹脂として射出成形が可能な点が特徴です。
また、電気絶縁性に優れ、屋外でも劣化しにくいことから、電装部品や機構部品、化学環境下で使用される樹脂部品などの材料候補として採用されます。耐熱性も高い一方で、成形温度は高温域になる傾向があり、加工設備や金型の仕様を含めた検討が必要です。
ETFEの射出成形における注意点
高温成形になりやすく、温度管理が品質を左右する
ETFEはフッ素樹脂系の中でも射出成形が可能ですが、成形温度は高温域になりやすく、温度管理が品質に直結します。シリンダー温度が不足すると樹脂の溶融が不十分になり、充填不足・ショートショット・ウェルド不良などが発生しやすくなります。
一方で温度を上げすぎると、樹脂の熱劣化やガスの発生、外観不良につながるケースもあります。
そのため、部品形状(薄肉、リブ、ボス)やゲート方式に合わせて最適化することが重要です。
流動性と充填バランスに配慮し、薄肉部は設計段階から対策する
ETFEは条件によって流動性が大きく変わり、薄肉形状や微細形状では充填バランスが課題になります。流動が不足すると、先端部の欠肉、ヒケ、外観ムラが起こり、寸法精度も不安定になります。
対策として、ゲート位置やランナー設計を最適化し、流動距離を短くする、肉厚差を減らす、急激な断面変化を避けるなどの基本設計が効果的です。また、成形条件として射出速度・保圧のかけ方を調整し、充填完了後の圧力保持で欠肉を抑える考え方が重要になります。
金型の腐食対策
ETFEから発生するガスが腐食性があるため金型などに対策を行う必要があります。当社では、金型の材料を耐腐食性に優れた材料にしつつ、コーティングも行うことで金型の腐食を防止する等の対策を実施しております。
離型性・金型表面の影響が大きく、離型トラブルに注意する
ETFEは成形自体は可能ですが、形状や金型表面状態によっては離型トラブルが発生しやすい材料です。離型が悪いと、取り出し時の変形、白化、表面キズ、割れなどが起こり、歩留まり低下の原因になります。特に微細形状やアンダーカットがある部品では、離型抵抗が高くなりやすく、安定生産が難しくなることがあります。
そのため対策として、金型の抜き勾配を十分に確保することが基本です。加えて、離型時に負荷が集中しないようにエジェクタ配置を最適化し、表面の磨き状態やテクスチャも慎重に選定します。必要に応じて、離型剤の使用可否や、金型表面処理を含めた検討を行うことで、成形の再現性を高められます。
当社のETFEの成形事例
OA機器用部品

当製品は、材質がETFEで、サイズは46×4×3の部品です。ETFEは耐薬品性・絶縁性・低摩擦性に優れているため、複写機やプリンタにおける定着工程から排出工程までで使用される搬送プーリーなどに採用されています。
OA機器用プーリー

こちらは、材質がETFEで、サイズが12×12×25.9mmの円筒形部品です。紙送り機構に用いられる摺動部品であり、高い摺動性が求められることから、素材にはETFEを採用しました。
また、加工時には発生ガスへの対策として、工場内に専用の換気装置を設置し、安全面への配慮を徹底しています。さらに、ETFEは腐食性を有するため、スクリューシリンダーには高耐食性鋼材を使用し、金型の製品部にはコーティング処理を施しました。加えて、成形終了ごとに金型を分解し、清掃および防錆処理を実施することで、安定した品質維持に努めています。
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OA機器用プーリー

こちらは、材質にETFEを用いた、φ12×15mmサイズの摺動部品です。紙送り機構に組み込まれる摺動部として使用されており、高い摺動性が求められることからETFEを採用しました。
加工工程では、安全面に配慮し、発生ガスに対応した専用換気装置を工場内に設置して運用しています。さらに、ETFE特有の腐食性への対策として、スクリューシリンダーには高耐食性鋼材を使用し、金型の製品部にはコーティング処理を施しました。加えて、成形後には金型を分解して清掃・防錆処理を徹底し、安定した成形品質の維持に努めています。
ETFEの射出成形は当社にお任せください
いかがでしたでしょうか。今回は、ETFEの特徴、射出成形のポイントについてご紹介しました。ジュラロン工業株式会社では、ETFEの成形実績が豊富にあり、月産300,000個の加工に対応可能です。ぜひお気軽に当社にご連絡ください。
ジュラロングループについて
ジュラロングループは、日本本社を中心に、ベトナム・香港・中国に拠点を展開し、
エンジニアリングプラチックを主体とした精密部品の開発・製造・販売に加え、
光学設計・レンズ成形、超精密金型および部品の加工/製造を行っています。
下記WEBサイトにて情報を発信していますので、ぜひ当社の取り組みをご覧ください。